部下が言うことを聞いてくれなかったり扱いにくいと感じたなら人を責めるのではなくまず自分に何か原因があるのか考えることが出来るようになったら自然と部下は変わります。
人間関係は相手に何かを求めるのではなく自分が変わる方がいい方向に風向きが変わるものです。
長いサラリーマン生活をしていると部下を10人近くもったり、中間管理職という板挟み職に就いたり色々とあります。
ありがたいことに良くも悪くも多種多様な部下や上司と接してきて少しは人間関係について学べてきたような気がします。
世の中、部下と思うように関係性を構築出来ずに悩んでいる方も多いと思います。
若い時ってどうしても部下が悪い・社会経験不足だなんて人のせいにしがちでしたが年齢を重ねていくと違った視点で物事を考えることが出来る余裕も出てくるものです。
本記事では言うことを聞いてくれない部下を持つ上司に向けた記事になりますが同時に若かりし自分にあてた記事といっても過言ではありません。
参考になること・ならないことあるかと思いますが社会生活における人間関係で悩む人が少しでも減るといいなという想いを込めて書きました。
特に若くして上司という立場に立った方は部下をもって大変なこともあるでしょうけれども私も同じ道を通りましたので腐らずに頑張ってほしいと思います。
同世代の部下を持つ方へ
社会に出れば1歳~3歳差なんてほぼ同年代の年の差ですがそれだけにこの同年代の部下の扱いが一番ややこしい。
偉そうにしたり上から目線で物事を言うと「あんまり年も変わらないくせに何を偉そうに」と思われる。
逆に年齢が近いからといってフレンドリーに接しても今度はなめられたり言う事を聞かなくなります。
社会における上司と部下の関係性についてこの同年代(1歳~3歳)同士の関係が一番悩んでいる層が多いのではないかと思っています。
同年代同士だと世代的にほぼ一緒なので行動を一緒にしていると会話を通じて上司と部下のお互い今まで歩んできた人生が浮き彫りになりやすい。
お互い歩んできた人生や生き様がピッタリ合っていれば部下から尊敬の眼差しで見られることもあるかと思いますがそう簡単に人生観や生き様が合致する上司と部下なんて存在しません。
上司であるあなたの歩んできた人生があまりにも魅力が無い場合、それだけで同年代の部下はあなたのことをなめてしまうなんてこともあり得ます。
この悩み多き同年代の部下をうまく扱うには日頃から自分の言動や行動に気を付けることで自分のステータスを守ることがキーとなります。
自分からプライベートな話はしない
まだお互いのことをあまいよく知らない時期は特にですが、コミュニケーションを取ろうとするあまり自分のプライベートの話をする人がいますがこれはおすすめ出来ません。
それは自分の家族の話や恋愛話、若い頃の馬鹿やった話、武勇伝などです。
基本的に部下は上司のプライベートな話題に興味はないものと思ってもらって間違いありません。
コミュニケーションの一環とはいえ興味もない上司のプライベートの話を聞かされている部下はいつ終息するのか分からない話に興味ありそうなふりをしてうなずくことが苦痛でたまらないのです。
それに同年代に加えて同性の部下である場合はちょっと話を聞いただけでその内容によっては「この人しょぼい人だったんだな」と思われてしまいます。
世間は狭いもので自分を大きく見せようと昔話を盛って自慢げに話してしまうと素性がばれて「実は大したことない人だ」とも思われてしまうケースもあるのです。
上司は部下にとってちょっと謎めいた存在が丁度いいのです。
部下のプライベートな話を聞いてあげるのはいいですが上司自ら自分のプラーベートな話をするのは自分のステータスを下げてしまう可能性があるので控えるのが望ましいでしょう。
背伸びして無理に上司面しない
上司といえども部下は同年代、自分を無理して大きく見せたりすることは不要です。
そもそもわずか年の差1歳~3歳差で自分が上司だというのも端(はた)から見ると無理な感じは否めません。
私はかつて同年代の部下と営業活動を行っていた時の話ですが、部下がお客様宅へクロージング(契約締結)へ行く際に上司として同行した時にお客様に言われた言葉があります。
「兄弟みたいでいいね~」と笑顔で言われました。
これは嫌味でも何でもなく心からほほえましく言ってくださった言葉なのですが同年代の上司と部下なんてものは結局、端から見ればこんなものなんです。
という事は部下から見ても同年代の上司というのは尊敬や崇拝するようなものではなく身近な存在なのです。
同じくらいの年数を生きているもの同士なので下手に人生の先輩面したり部下だからといって酷く叱ったり人を顎(あご)で使うようなことはしないことですね。
こんな実体験もあります。
今度は私が部下の立場だった頃の話ですが年齢差はわずか2歳の上司がかつていましたがこの方はとても2歳上には見えず体感的には最低でも5歳以上は上の感じでした。
この実質2歳上の上司がもっと年上に感じたのはなぜだったのか人物像を思い返してみたので簡単にお伝えしたいと思います。
同年代でも仕事が出来る上司
私の2歳上の上司だった方を仮にAさんとします。
私は部下だったので上司であるAさんは本来ならば仕事や営業ノルマを部下に丸投げしてもおかしくない時代でした。
現に他部署ではそういう上司ばかりでしたが当時のAさんは私たち部下にそのようなことを丸投げせず営業ノルマをAさん自身も頭数に含めて部署内で数字を振り分けていました。
そして私たちの部署で一番早く営業ノルマを達成するのは毎月上司でるAさんなのです。
しかしAさんは私たち部下を叱ったりすることはなく、むしろ営業活動に同行してくれてクロージング(契約締結)を手伝ってくれたりしていました。
それにAさんはあまり休むことはなく、残業して何かを淡々とこなしているようなイメージが強く残っています。
決して優しいわけではなかったのですが無駄に吠えたり怒ったりするようなことが無かったので機嫌が悪そうな時は逆に気持ち悪かったのを思い出します。
性格は几帳面で規律正しく生きていてルール遵守といった感じの基本的には真面目な方でした。
だいたいかつて私の上司だったAさんのイメージは沸きますかね?
一見、真面目な上司は部下になめられがちですがこの方が同年代の部下になめられずに言うことを聞いたその理由は紛れもなく仕事が出来たからです。
自分の能力や実績は十分か
そう、社会において威厳やステータスを確立するのは能力と実績なのです。
これさえあれば同年代のどんな性格の部下に対して何も言わずして上司としての威厳を保てるのです。
これは間違いありません。
もし今、同年代の部下に対して悩みを持っているのであればまずは自分の能力や実績はどの程度なのか自分を見つめ直してみましょう。
部下が自分の思うように動いてくれないのであればもしかしたらあなたの能力がその部下にとって足りないのかもしれません。
厳しいような事を言うようですが能力も実績も無いままに上司という立場に立ってしまった場合は人並み以上の努力をしないと特に同年代の部下には認められません。
先ほど紹介したかつて私の上司だったAさんはあまり休むことなく普段も残業をよくしていたと話しましたよね。
今思うとAさんも自分にかけなくてもいいノルマを自ら課して己にプレッシャーをかけていたのだと思います。
年齢が近いので口で言う事を聞かせるのではなく、自らの行動で己を示したのでしょう。
Aさんの真似をするのは簡単ではないので真似は出来なくても何らかのかたちで口ではなく行動で自分を大きく見せる方法もあるということです。
3歳以上年下の部下を持つ方へ
3歳以上の年齢差のある上司と部下関係が世の中では一番多いかもしれません。
3歳以上離れていればある程度世代もずれてきますし人生の先輩としても接することが出来るので同年代の部下よりは扱いやすいのではないでしょうか。
しかし逆に世代が違うだけに考え方や価値観も自然とずれてくるので上司として気を付けなくてはならないことはいくつかあります。
基本的に部下は萎縮している
3歳~10歳も年齢が上なだけでも構えてしまうのにそれが上司だったら部下からしてみれば「言うことを聞かなければいけない人間」という位置付けになります。
それを逆手にとって部下を言いように雑に扱ったり心無いことを言ってはいけません。
基本的に部下に対しては優しく接すること。それが今のスタイルです。
また、ちょっとした威圧的な態度でも部下にとってはストレスになりがちで上司のとった何気ない言動や行動で部下が何日も悩み続けることはよくあります。
言った人間はすぐに忘れるけど言われた人間はずっと覚えているものです。
言い方によっては部下の恨みや反感を買う場合がありますので、自分の言った言葉は記録されているものと思って言動するほうが丁度いいかもしれません。
特に新しい部下を迎え入れた時期など、まだお互いのことをよく知らないときはまずは部下の緊張をほぐしてあげるイメージで接してあげましょう。
自ら部下の輪に入っていかない
例えばコロナ渦による部下たちのオンライン(リモート)飲み会に積極的に参加するようなことは避けましょう。
誘われてもそれは社交辞令。最初は参加しても序盤で「あとは君たちでゆっくり」と言い残して退出してあげるのが上司なりの気遣いです。
気の許せる仲間同士の飲み会でストレス発散出来るからこそまた明日から仕事頑張ろうとなるわけでストレス発散の場所にまで上司が居たら気を遣う分ストレスが溜まってしまいます。
また、仕事帰りの食事や飲みの誘いはタイミングや頻度を間違えるとあまりおすすめできません。
確かに仕事中にきつく言い過ぎたりするとつい仕事時間外の時に「あの時は言い過ぎた」などと部下をフォローしたくなりますがそれは返って逆効果。
部下からしてみれば仕事が終わってやっと上司から解放されると思いきや勤務時間外まで上司に食事に誘われるなんて精神的にはまるで残業と変わりません。
仕事時間内での反省点は勤務時間内に改善やフォローをすべきであり、勤務時間外に、ましてやお酒の力を借りて行うのはちょっとずるいと感じてしまうのが部下の本音です。
部下とは一定の距離間を持って関係性を構築しないとどんどん離れていきますので気を付けましょう。
評価してから指摘すること
上司から依頼された業務や仕事は期待していた以上の結果で遂行したいと思っているのが部下です。
しかし部下の遂行した業務や仕事に対して自分のイメージや期待していた結果が見えなかったからといってダメ出しをするのはよくないですね。
自分の期待していた結果やイメージで仕上がってこなかったのは100%部下のせいなのでしょうか?
上司であるあなたはそのイメージを部下に分かりやすく説明しましたか?イメージを共有出来ていましたか?
業務や仕事を丸投げして仕上がった結果に対してダメ出しをして再提出や事実上やり直しを命ずるような指示方法では部下のモチベーションはおろか近い将来部下はついてこなくなるでしょう。
厳密な打合せを行わない限り、抽象的とも言える指示だけで上司の満足する結果が出ると思っているならそれは間違いです。
「このプロジェクトは任せる」と言っていたなら尚更です。
もちろん何かを成し遂げる為には試作→改善→試作→改善の繰り返しになるのは避けて通れませんが、部下の仕上げた業務や仕事に対してまず評価してあげることが大切なのではないでしょうか。
気になるところの指摘は評価をしてあげた後でいいのです。
まず評価をして、それから改善すべきところの指摘です。この順序を守るだけで部下のモチベーションは全然違いますよ。
上司から頼まれた業務や仕事は部下が一生懸命やるものなのです。内容うんぬんの前にまずはそこを評価してあげるべきです。
最終的には人間性
上司だからといって仕事のことなら部下は何でも言うことを聞くべきだと思うのは間違いです。
部下は上司の人間性をよく見ています。
仕事が出来れば部下はついてきますが、逆に仕事が出来なくても人間性があれば部下はついてきます。
部下に気に入られようとして気を使いすぎる上司もどうかと思いますが、上司としての「器」がある人ならば何も気にせずして自然と部下はついてくるものです。
特に若くして部下をもった中間管理職の方は社会経験が浅いという事実は変えられません。そこをカバーする為に「口より行動」で示した方が効果的です。
若いなら楽をするにはまだ早すぎるし今、楽をしていると同世代の人間にスキルの差をつけられてやがて転職した際にこれといった武器のない平凡な転職者になってしまいますので頑張ってください。
今は新型コロナウィルスでまだ何かと大変な時期ですがこの機会に部下との関係性を振り返ってみてはいかがでしょうか。
お読みいただきまして、ありがとうございました。